待ってました! ~4月4日 震災25日目~

~4月4日 震災25日目の日記~

 

きょうは朝からソワソワしています。

なんだか落ち着きません。

日頃はしなかった水回りの掃除をしたりしています。

ずっと一人暮らしなので、なかなか手が回りませんでした。

でも今日は、今日だけは?水回りやガス台の周りをキレイにせずにはいられません。

 

お昼になりました。

まだ来ません。

何時になるのでしょうか。

「もしかして今日は来ない?」そんな言葉が頭をよぎります。

 

午後2時過ぎ、玄関のチャイムが鳴りました。

ドアを開けた私は、思わず抱きつきたくなりましたが、それは我慢しました。

そして、家の中へと招き入れました。

 

 

やっと来ました。

腕章を見ると、「広島ガス」と書いてあります。

そうです、待ちに待った市ガスの復旧です。

開栓してみて、臭いがしないか、正常に点火するか、

手早くチェックしていきます。

 

「ご不自由をおかけしました。これで通常通り使っていただいてかまいません。

もし臭い等が気になる場合は、すぐに使用を中止して、こちらまでご連絡下さい。」

そう言って、注意事項等の書かれた紙を渡して、「彼」は去っていきました。

 

私は玄関先で深々と頭を下げました。

 

いまこうして日記を書いていても涙が止まりません。

ガスが復旧したのが嬉しかったからではありません。

彼の背中の向こうに、彼の無事帰宅を待つ家族の姿が見えたから。

 

もしかしたら彼は単に上司から命令されたから仙台に赴いたのかもしれません。

でも、彼の帰宅を待つ家族の気持ちは、

被災地で一家の主人の帰りを待つ家族と何ら変わりないと思います。

見知らぬ土地で病気になっていないか、怪我をしていないか、

そう思って心配しているはずです。

 

自衛隊の方たちも、警察の方たちも、そしてライフラインの復旧に駆け付けた方たちも、

みな地元に家族を置いて駆けつけています。

そして自らのことを後回しにして、被災地の復興に汗だくになって働いてくれています。

 

ありがとう。本当にありがとう。

あなた方のことは決して忘れません。

いつかあなた方が困ることがあれば、どんな形にせよ、お役に立ちたいと思います。

そして、一日も早く、私たちが復興することで、あなた方の苦労に報いたいと思います。

 

夜になって、ひさしぶりに自宅の風呂に入りました。

震災から25日目です。

この間、お湯で絞ったタオルで体を拭いたりはしましたが、

お湯に浸かったのは二回だけでした。

 

気持ちよかったです。

やはり自宅の風呂はくつろげますね。

たとえ狭くても、自宅の風呂には自宅なりの良さがあります。

 

今夜はゆっくりと休めそうです。

気持ちがまた少し前に進んだ気がしました。


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どん底からの復活者 斎藤 輝男

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東日本大震災は、私から仕事を奪い、どん底に突き落としました。
しかし、私は必ず復活してみせます。このブログでは、その軌跡を残していきます。

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