~6月17日 震災99日目の日記~
先日の日記でも書きましたが、私の両親はガンに侵されています。
寝たきり、というほどでもありませんし、入院したまま、というわけでもありません。
いまのところ、転移は見つかっていません。
でも、ガン細胞は確実に育っており、切除しても、切除しても、また大きくなります。
事情があって、いままでは、同じ市内にはいるものの、別々に住んでいました。
震災で互いに家屋の被害はほとんどありませんでしたが、
さすがに今度ばかりは、一緒に住むか、せめて二世帯住宅で、そう考えました。
震災直後の自宅待機の間は特に。
つい先日、テレビでガン治療の最前線の特集をやっていました。
進んでいるんですね。
いままでガンの治療といえば、手術か、抗がん剤か、放射線治療か、
その程度しか知りませんでした。
それぞれにメリット、デメリットがあり、どれがベストとは言えない印象。
手術は、身体に負担をかけます。
両親は高齢ですから、再発による再手術には体力が必要です。
手術前に数日、体力をつけるために入院します。
また、母は麻酔が効きにくいのも手術を難しくします。
抗がん剤の投与、これも副作用が心配です。
また、両親の場合、あまり抗がん剤の効かないガンです。
ガンの種類によって、効き目が違うようです。
そして副作用も。
脱毛や口内炎、下痢、おう吐、白血球の減少や貧血などが見られるそうです。
そして放射線治療。
高価な上に、正常な細胞をも傷つける危険がある、ということで
なかなか踏み切れません。
しかし最近、この放射線治療の分野で、大きな進歩が見られている、
というのが特集の内容でした。
ひとつはIMRTという方法。
※私はあまり詳しくないので、正しくない記述があったらお許し下さい。
ガン細胞の周りから、360度を7分割して、つまり7回照射するのですが、
当てる方向によって照射する強さを変える、というもの。
つまり、他の健康な細胞を傷つけそうな方向は弱く、
そうでない方向は強く照射する、ということだそうです。
この方法は全国50か所の施設でできるとか。
28日間かけて治療するそうですが、一日の治療はわずか10分。
実際に患者さんのインタビューがありましたが、
食事も普通にできるし、吐き気やその他の副作用も感じないとのこと。
なにより、保険がきくようになって、入院費別で10万円位でできるそうです。
そしてもう一つの方法が「陽子線」による治療。
大学の研究室にあるような、大型の「加速器」(原子を加速して陽子を取り出す)が
映し出されていました。
これはもっと短くて、1日に5分程度の治療を10日間で済むそうです。
もちろん患者さんも元気そのものでした。
でも、この陽子線治療のネックは価格。
いまのところ、全国8か所の施設でできるようですが、
症例がまだ少ないために保険がきかず、
240万~280万かかるそうです。
科学技術の進歩って、どれもそうですが、
価格が高いと普及しない、普及しないから価格が高い、
という状態が続きます。
それがあるポイントまで価格が下がったところで、急激に普及の速度も上がり、
それにつれて価格も急激に下がります。
一日も早く、陽子線治療が保険対象になって欲しいものです。
震災を機に一緒に暮らしたい、そう思った、いやいまもそう思っていますが、
この状態では却って心配をかけてしまいますね。
さすがに、仕事がなくなったことは両親に話していません。
一日も早く復活して、両親にこういった治療を受けさせてあげる、
それが私に課せられた最大の役割です。
そのために私は生かされているのだと思います。
コメントはまだありません »
コメントはまだありません。
この投稿へのコメントの RSS フィード。
コメントする